第三章 出発〜旅立ち〜
第三話
「…よしっ!決めたぞ!!」
カッと目を見開き、勢いよく体を起こす。
「わらわもテスタルトに行くぞ!!」
ザクッ… ザクッ…
リースは、神の神殿へ向かうべく、森の中の細道を歩いていた。
(神様に何と言われようと、わらわは行くのじゃ!
わらわだって、このラクシアスランドの生まれじゃ!
わらわだって、フェーンフィートさんの敵を取るのじゃ!
フィーナとアルミオンだけには任せておけぬ!
それに、前に神様が言っておったことも気になる…。
ラフィスが転生した…か。
あやつは頼りになるからの…)
「神様。リースナージョペガサス、折り入ってお話ししたいことがございます。
入ってもよろしいでしょうか?」
リースが、神様のいる部屋の前で告げた。
―…いいでしょう。お入りなさい―
ゴゴ…ゴ…
重い扉を押し開け、リースは一歩足を進めた。
そして、ゆっくりと神様の元へ近づき、決意を固めた目で見つめる。
「…神様。わらわも、フィーナレンスドラゴン、アルミオンファラールドラゴン、そしてラフィスと共に
対ダークヴォルマ決戦へ参加させて下さい。
…テスタルトへ行くことを、許可しては下さいませんか…?」
ひと言ひと言、はっきりゆっくりと、リースは静かに告げた。
―………―
神様は喋らない。
「〜〜〜〜神様っ!!!」
リースは、もどかしい気持ちで一杯だった。
なぜ、フィーナやアルミオンの時にはすぐに許可をしたのに…。
何故、わらわは……そんな思いが溢れ出てくる。
―わかりました。リースナージョペガサス…あなたの、テスタルト行きを許可します―
神様は、喉に何か詰まっているかのように、戸惑いを隠しながらリースに告げた。
「!!本当ですか!?」
―ええ…―
「ありがとうございます、神様っ!!!」
神様の言葉を聞いてほっとしたリースの顔に、笑顔が広がる。
―気をつけるのですよ、リースナージョペガサス…―
「はい、もちろんです。必ずや、ダークヴォルマを倒して見せます…!!!」
リースはその日、すぐにテスタルトへと旅立った。
フェーンフィートと同じ運命を辿るべく………。
09.03.19 一部修正
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